愛犬や愛猫が慢性疾患を抱えている場合、治療のために定期的な通院が必要になることがあります。しかし、忙しい日々の中、通院の負担を少しでも軽くしたいと感じる方が多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、動物病院での薬の「まとめ処方」です。まとめ処方を活用すれば、通院の頻度を減らすことができるため、飼い主様の時間的な負担を軽くするだけでなく、愛犬や愛猫のストレスを和らげる助けにもなります。
今回は、薬のまとめ処方の仕組みやその利点について詳しくご紹介します。慢性疾患の治療を進める中で、少しでも通院の負担を軽減する方法を考えてみましょう。
動物病院での薬の処方について
動物病院で処方される薬の日数は、愛犬や愛猫の病状に応じて異なりますが、急性疾患や初めての投薬では、3日分から5日分といった短期間の処方が行われることが多いです。
これは、薬が体にどのように作用するかを確認し、副作用のリスクを最小限に抑えるためです。
一方で、慢性疾患の場合、症状が長期間続くため薬の服用も継続的に必要となりますが、短い処方日数が続くと飼い主様にとって大きな負担となることがあります。
短期間の処方が飼い主様に与える負担
慢性疾患において薬の処方日数が短いと、薬が切れるたびに動物病院を訪れる必要があります。これにより、仕事や家事で忙しい日々の中で時間的な余裕が減るだけでなく、通院のたびに愛犬や愛猫がストレスを感じる可能性もあります。
特に犬や猫は、キャリーに入れられることや慣れない環境で待つことに敏感です。これが繰り返されると、通院が愛犬や愛猫の心理的負担となり、健康に悪影響を与えることも懸念されます。
まとめ処方のメリット
このような状況を解決するための方法の一つが、動物病院での「まとめ処方」です。慢性疾患の薬の管理において効果的なこの方法には、以下のようなメリットがあります。
・通院の回数が減ることで、愛犬や愛猫が感じるストレスも軽減されます。
・薬を十分な量で受け取ることで、計画的な服薬管理が可能です。
・交通費や処方料を抑えることができます。
まとめ処方を利用する際の注意点
まとめ処方は便利な方法ですが、愛犬や愛猫の健康を守るためには、薬を服用している間も様子をしっかり観察することが大切です。以下のような場合には、早めに動物病院へ相談してください。
・症状が悪化している
・薬の効果があまり感じられないように思う
・下痢や嘔吐、食欲が落ちるなど、薬が合わないような兆候が見られる
これらの情報を獣医師に伝えることで、薬の種類や量を見直すことができます。
また、まとめ処方を利用して通院回数を減らしても、定期的な診察は欠かせません。診察では健康状態を確認し、治療の進み具合や新たな問題の有無をチェックします。
獣医師と相談しながら治療内容を見直すことで、安心して治療を続けられる環境を整えましょう。
当院が考える薬のまとめ処方の考え方
当院では、飼い主様と愛犬や愛猫の負担を軽減するために、慢性疾患の薬をまとめて処方する取り組みを行っています。
慢性疾患は長期間のケアが必要となることが多く、毎日の投薬が欠かせません。
そこで当院では、可能な限り1か月分、場合によっては3か月分の薬をまとめて処方する方針を採用しています。
ただし、まとめ処方を行うためには、以下の条件が整っていることが必要です。
・健康状態が安定していること
・定期的な診察で治療計画が順調に進んでいること
これらの条件を満たしている場合に限り、安心してまとめ処方をご利用いただけます。
そして、まとめ処方には費用の面でも多くの利点があります。
短期分割で薬を受け取る場合、1回の処方料が500円程度かかると仮定すると、まとめ処方を利用することで通院回数が減り、その分処方料を抑えることができます。
結果として、診察にかかる総費用を減らすことが可能です。
当院での具体的な処方例
当院では、心臓病や甲状腺機能低下症、クッシング症候群など、長期間の治療が必要な病気に対して、3ヶ月分程度のお薬をまとめて処方することが可能です。
ただし、健康状態が安定していない場合や獣医師が必要と判断した場合には、まとめ処方ができないこともございます。
長期処方を行うことで、「毎週のように通院して薬をもらう手間が省けた」「まとめてもらえて本当にありがたい」といった嬉しいお声をいただいております。
飼い主様のお役に立てることは、私たちスタッフにとっても大変励みになっています。
当院では、飼い主様と動物が少しでも安心して治療に取り組めるよう、お一人おひとりの状況に合わせた柔軟な対応を心がけております。
不安なことや気になる点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
埼玉県さいたま市浦和区 結城チロロ動物病院
Tel: 048-884-1211