犬と猫の皮膚疾患について|種類や症状を解説!

結城チロロ動物病院トップページへ

〒330-0044
埼玉県さいたま市浦和区瀬ヶ崎3-16-5

結城チロロ動物病院 電話番号048-884-1211

9:00~12:00/16:00~18:30
※ 木曜休診日

犬と猫の皮膚疾患について|種類や症状を解説!

皮膚疾患は犬や猫がかかりやすい病気の一つであり、ペット保険の保険金請求でも上位に位置することがよくあります。特に季節の変わり目には皮膚のトラブルが増える傾向にあります。


皮膚疾患の原因はさまざまですが、痒みを感じると犬や猫は大きなストレスを受け、生活の質(QOL)が低下してしまいます。そのため、予防はもちろんのこと、早期発見と早期治療が重要です。


今回は犬と猫の皮膚疾患について、原因ごとの症状や診察方法、治療方法を解説します。

alt_text

症状

皮膚疾患に伴う症状は非常に多岐にわたります。例えば、赤みや痒みは皮膚炎の初期症状であり、犬や猫が自分の体を頻繁に舐めたり、噛んだり、掻いたりする行動が見られます。これらの行動は、皮膚に不快感があるサインですので、飼い主様は注意深く観察することが大切です。

さらに皮膚疾患が進行すると、脱毛や皮膚が厚く硬くなることがあり、特有の強い臭いを発することもあります。

犬や猫に多い皮膚疾患

皮膚疾患には、以下のようなものがあります。

<アレルギー・アトピー性皮膚炎>

食べ物、ハウスダスト、花粉などの環境中のアレルゲンに対する過剰な免疫反応が原因で発生する慢性的な皮膚炎です。


主な症状として、痒みや赤み、皮膚の乾燥、脱毛、そして二次的な感染症が見られます。

<マラセチア性皮膚炎>

主な症状として、痒みや赤み、皮膚の乾燥、脱毛、そして二次的な感染症が見られます。

<マラセチア性皮膚炎>

マラセチア菌はカビの一種で、皮膚に常在菌として存在しています。マラセチア菌は皮脂を栄養源として増殖する習性があり、過剰に増殖することで皮膚炎を引き起こします。


主な症状には、痒み、赤み、皮膚のベタつき、フケの増加、脱毛、色素沈着があり、カビのような臭いがすることもあります。

<脂漏性皮膚炎(脂漏症)>

遺伝的要因、ホルモンバランスの異常、栄養不足、アレルギー、感染症、その他の皮膚疾患が原因で発生します。


これらの要因によって皮脂分泌が異常に増え、皮膚がベタつき、フケが生じます。また、痒み、赤み、脱毛、そして酸っぱく油っぽい臭いが発生することもあります。

<細菌性皮膚炎(膿皮症)>

皮膚に常在する細菌(主にブドウ球菌)が過剰に増殖することで発症します。通常、健康な皮膚では問題になりませんが、免疫力の低下や皮膚のバリア機能が損なわれると、細菌が増殖しやすくなります。


主な症状として、膿疱や赤み、痒み、脱毛が見られます。

<皮膚糸状菌症>

糸状菌という種類のカビが原因で発生します。感染した動物や人との直接接触、または感染した物品(寝床やブラシなど)を介して感染します。


主な症状としては、皮膚に円形の脱毛、炎症、かさぶたができることが特徴です。人や他の動物にも移る可能性があるため、注意が必要です。

<疥癬>

ヒゼンダニが皮膚に寄生することで引き起こされます。この寄生虫は非常に小さく、肉眼では見えませんが、皮膚の中にトンネルを掘り進んで産卵します


主な症状には「激しい痒み、赤み、脱毛、かさぶたの形成」などがあり、感染は同居する動物にも広がる可能性があります。

<ニキビダニ症(毛包虫症)>

ニキビダニが異常に増殖することによって発症します。


主な症状には、脱毛、皮膚の赤み、鱗屑、膿疱の形成などがあります。

内分泌疾患

甲状腺機能低下症、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)、糖尿病などの内分泌疾患が原因で発症します。


主な症状としては、痒みが少なく、左右対称の脱毛、皮膚の薄化、色素沈着、そして二次的な感染症が見られます。

診断方法

皮膚炎の原因を特定するために、全身の身体検査と問診を行います。その後、以下のような皮膚検査を実施します。


皮膚掻爬検査(スクレイピング検査):皮膚を引っ掻いて顕微鏡で寄生虫や細菌を調べます。疥癬やニキビダニなどを発見するのに効果的ですが、皮膚を引っ掻くため少量の出血が伴うことがあります。
ウッド灯検査:ウッド灯(紫外線)を患部に当てて皮膚糸状菌の有無を確認します。
セロハンテープ試験:セロハンテープやスライドグラスを患部に押し当て、特殊な染色液で染めた後、顕微鏡で細菌や寄生虫を観察します。
抜毛検査:患部の毛を抜いて顕微鏡で観察し、ニキビダニなどの寄生虫を検出します。
アレルギー検査:食物アレルギーや環境アレルギーを特定するために、血液検査や皮膚にアレルゲンを直接塗布して反応を見ます。

治療方法

皮膚炎の治療法は、原因によって異なります。

マラセチア性皮膚炎、細菌性皮膚炎、脂漏性皮膚炎には、それぞれに適した薬用シャンプーを使用したシャンプー療法が一般的で、必要に応じて内服薬も併用されることがあります。


皮膚糸状菌症では、抗真菌薬の内服治療が中心となります。疥癬には、駆虫薬の塗布や内服が基本で、症状を和らげるために追加の薬が使われることもあります。


アレルギー性やアトピー性皮膚炎の場合は、アレルゲンを避けることが重要で、そのための生活環境の改善や食事の見直しが必要です。


いずれの場合も、正確な診断を基に原因を特定し、適切な治療を行うことが大切です。

予防法やご家庭での注意点

犬と猫の皮膚疾患は多岐にわたりますが、原因を理解し適切な対策を講じることが大切です。皮膚疾患は慢性化することがあるため、症状が見られた場合は早めに動物病院で診察を受けることが重要です。


また、一部の皮膚疾患はペット保険が適用される場合がありますので、保険会社や動物病院にお問い合わせください。


自宅でできるケアとしては、皮膚を清潔に保つために定期的なシャンプーやブラッシングが効果的です。

ただし、シャンプーのしすぎは皮膚の自然な油分を取り除き、逆に皮膚炎を悪化させることがあるため、シャンプーの種類や頻度には注意が必要です。

まとめ

犬や猫の皮膚疾患は、季節の変わり目に特に注意が必要です。気温や湿度の変化は、皮膚のバリア機能を低下させることがあり、それにより皮膚炎や痒みなどの症状が現れやすくなります。


症状を早期に発見し、適切な治療を行うことで、愛犬や愛猫が快適に過ごせるようサポートしましょう。


皮膚疾患の兆候が見られたら、早めに動物病院で診察を受けることをお勧めします。


埼玉県さいたま市浦和区 結城チロロ動物病院

Tel: 048-884-1211


診療案内はこちら

結城チロロ動物病院 ページ内遷移